講座詳細

　複数疾患を抱える高齢患者の増加や薬物治療の複雑化に伴い、ポリファーマシーや残薬の問題が注目され、高齢者への服薬支援の必要性が高まっている。とりわけ身体機能や生理機能、認知機能が低下した虚弱高齢者においては、環境や介護者の負担軽減という視点も含めた支援を検討し、それを医療看護介護の多職種による連携で実行していく能力が求められる。 今回の講義では、在宅医療でしばしば経験される高齢者特有の病態や昨今増えている在宅がん緩和ケアにおいて、その始まりから終わりまでの間に変化していく病態や薬物治療やケアを多職種でささえていくための我々の取り組みを紹介しつつ、薬剤師に求められる役割や医薬介護連携について論考する。 地域包括ケアの推進が2025年に向けて進められるなか、薬局や薬剤師のあり方にも変革の波が押し寄せている。これからのあるべき姿を模索する薬剤師にとって、具体的に動き出すためのヒントになれば幸いである。